●数珠の源流を見つめ直して産まれたジュエリー念珠

永い間ジュエリーのお仕事を本業とさせていただいておりますが、
「数珠」という「法具」を作ることにあたって、
ジュエリー屋の俺が、数珠なんて作ってええのかいな?と、
巡禮記というお参りの会を主宰していて、先達であるにもかかわらず、
ずいぶんと悩んだことを思い出します。

壁は、信教や国籍、そして「宗教や宗旨」の違いと、特質化です。
その違いたちは、それぞれ歴史と伝統を持っているわけですから、
そこで使われる法具が、それなりの厳重な規則と、格別な意味があるものとして捉えていまして、

製造している業者さんたちのところを見ても、
熟練した職人が、セオリーを護って、
各宗派の規則にのっとってという、厳粛な雰囲気があふれていましたので、
やはり「一介のジュエリー作家」がいたずらに変更してはならないものと
タブーのように思い込んでいたのです。

ちなみにひとつの数珠に、数十の宗教的な決まりがあり、それを重んじ、伝統としています。

一方、田中一人は「先達」という、聖地に皆様をご案内することも生業としております。

先達になるための巡礼行の修行中に、
密教数珠は房がとれ、珠がはじけ、
どんどんと原型をとどめないものとなってきます。
最後は「石を通したわっか」と化してしまうわけで、

宗派の規則ってなんだったっけ?
くらい「使いやすい」形になってゆきました。

そしてちなみに、その伝統を探るために、上の業者さんたちとも、実際におつきあいしてゆく中で、
各宗派によって数珠の形が違うのも、
ある程度は「京数珠」のブランディングのために、
やむおえないことだったということもわかりました。

決して、お大師さまや蓮如上人さまが、ウチの数珠は
ゼッタイこのように作ってくださいとオーダーしたわけではないということです。

そんなこんなを鑑みて、伝統って、保つのはいいことだけど、追いかけなくてもいいんだってことで、Genjewelryは、
数珠というものの、もっと源流を見てみようってことにしたんです。


● 数珠という法具、そして世界の祈りの実績

この数珠▲は、奈良の飛鳥寺に収蔵されているもので、奈良時代のものかどうかは不明ですが、
日本で一番古い寺院に伝わってる数珠です。
長数珠なのに片房で、むっちゃシンプルですね。

おなじく飛鳥寺に収蔵されているチベットの数珠を見てもわかるように、かつては房のようなものが付いていたのでしょう。
でもこれも、長数珠なのに片房です。


そしてここからが本題なのですが、
実は仏教徒以外も数珠を使うんです。

これはカトリック教徒たちが使うロザリオという数珠ですね▼。
普段はネックレスやブレスレットとして携帯しておいて、教会で祈る際に手に持って数珠となります。
ファッションと信仰が習合した、言うなれば、とても素敵な習慣だと思います。

そして、知らない人のほうが多いと思いますが
イスラムの人々も数珠を使います▼。
コーランを読む際に、もみもしてますので、どんどん紐が伸びてゆきますがオッケーなんです。

これでお判りのように、世界三大宗教である、仏教、キリスト教、イスラム教、
すべてが数珠を持ち、その姿かたちにとらわれず「祈りの道具」となっているんです。
それぞれ、自分が祈りやすいように作られていて、アレンジも多彩です。


●ここで、Genjewelryと先達のものづくり

ですから、Genjewelryは、

余計な伝統のようなものにこだわらなくていいもの、
葬祭行事専用ではなくて、
つまり、「願う事、祈ること」
それと「叶えられて感謝できること」
例えばカトリックの教会に行くときも持ってゆけるもの。

いうなれば、信仰と祈りの役に立つもので、
とても手軽に持ち歩けて、壊れにくい、
信仰することそのものが楽しくなる「ジュエリー」を創ろうと思いました。

そう考えたら、これはもう、
教義を守っておられる数珠屋さんの仕事ではなくて、
宗教宗旨にこだわりのないジュエリー作家 兼 先達の仕事となります。

その考え方で作ったら、親鸞さまも、法然さまも、お大師さまも、日蓮さまも
だれも、「その数珠 変!」なんてことはおっしゃらないと思いますし、
どれだけ思いや祈りの実績がたまってるかってことをご評価くださると思います。

そんな、数々の大昔からの実績を形にしてきたジュエリー念珠です。
「伝統の京念珠」はそれこそ、「葬祭用」に大切にしておいて、
有事に使えば口うるさい年寄りたちに刺されることもないと思いますので、
ジュエリー念珠は普段の祈り、おまいり、巡礼用にご活用いただき、
ジュエリーとしての装いと祈りを融合させていただきたいと祈っております。

ジュエリー念珠。
幸せに生きる修業のお供にどうぞ!

 

Genjewelry代表、巡禮記先達
須佐厳


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