◆ マムシ毒から生を得る
Genjewelry、巡禮記の田中です。
2025年7月11日午前10時頃、私は不注意からマムシに噛まれ、救急搬送され現在入院中です。
居合わせた方々のおかげで迅速な処置を受け、命に別状なく順調に回復しています。ご安心ください。

◎入院5日目です
人が自分の力で強く美しくなってゆくジュエリーを作ったり、巡礼を家業にする者として、
今回の出来事を包み隠さずご報告することで、何らかの形で皆さんのお役に立てればと思い、入院療養経過中ではございますが、病室よりレポートをさせていただきます。
これは偉そうな教訓ではなく、ただ「誰にでも いつでも起こりうること」として、私自身にも言い聞かせるための記録です。
衝撃的な画像も含まれますが、これらも私と長くお付き合いくださる皆様とのご縁の証だと考えております。よろしければ、ぜひご覧ください。
◆ マムシ毒の恐ろしさを実感
マムシの毒は、噛まれた瞬間から筋肉を溶かし、血液を凝固させなくし、組織を壊死させて破壊する「出血毒」です。
私も噛まれた直後から、その恐ろしさを肌で感じました。
◆ 半世紀の巡礼行の節目かな?
今回の入院中に、この出来事を備忘録として残しておこうと思ったのは。
全く自分の勝手で起こした事象で恥ずかしいことですから、もしかしたら、後で振り返るのが嫌になるかもしれないからです。
そして 先達であるための巡礼行を始めて50周年、
何らかの節目なんだろうと思います。そう思って残すことにしました。
◆ マムシとの奇妙な「会話」
米粒の10分の1ほどのわずかな毒液で、時には人を死に至らしめるマムシ毒。
それを私の右手人差し指の第二関節から「チクッ」と注入されました。

◎借り物の画像です
よろけて手をついた草むらで、そいつはちょうど昼寝をしていたのでしょう。
その時、私とマムシは確かに目が合い、瞳を通して何か二、三言会話したように思えました。
信じられないことですが、毒を注入した毒蛇を足で踏みつけていたにも関わらず、駆除することなく私はそのままリリースしたのです。

◎救命措置をした直後 オバQみたいになってました
◆ 致命的な判断ミス:毒の吸引
噛まれてすぐに取った咄嗟の行動!
これが大失態でした。私は咄嗟に傷口から毒を吸い出そうとしたのです。
その結果、数秒間のひどい酩酊状態の後、一瞬にして失神してしまいました。
顎から地面に崩れ落ち、前歯が下唇の内側をひどく切り裂きました。そして、その傷口に、吸い出したわずかなマムシ毒が入ってしまったのです。
失神状態は長くは続かず、ほんの20秒ほどでしたが、その間に※面白い夢を見て
「これが現実かーっ!」と叫んで正気に戻りました。
その後、搬送時、措置時にも再び意識を失うことはなく、全てリアルに記憶があります。
(※面白い夢については巡禮記にいらした方にお話をさせていただきます)

◎処置10時間後 岩崎弥太郎さん似
◆ 出血毒の恐るべき進行
前述の通り、マムシの毒は出血毒です。計測できないほどの微量でも、触れた筋肉組織を壊死させ、血小板を急速に減少させ、出血を止めなくします。
もちろん、下唇の裂傷を起点として、それは進行していきました。
下唇は無限に腫れ上がり、鼻を隠すほどに膨張し、とめどなく溢れる鮮血はどんどん胃に落ちていきました。
◆ 地獄絵図のような嘔吐
今度は胃に溜まった大量の血液を嘔吐しました。
傍で見ている人たちにとっては、まさに地獄絵図だったでしょう。
しかし、そうやってマムシの毒を血液で薄めて排出している感覚があったので、私は全身の筋力を使って積極的に喀血しました。

◎2日経過してICUから出ました 関帝さま似になった
◆ 救急隊到着、そして病院へ
そうこうしているうちに救急隊が到着し、私は某病院の救急救命センターに搬送されました。
とにかく輸液と止血処置が始まりましたが、下唇の内側からの出血が全く止まりません。
噛まれた右腕はたいしたことないのに、口内と下顎の処置に難儀していました。
唇の内側を4針、顎を3針縫合しても、出血は一向に止まらないのです。
◆ 抗血清と血小板輸血が届いた!
センター到着から1時間でマムシ毒の抗血清が届きました。
これは筋肉の壊死拡大を防ぐ解毒剤で、この血清のおかげでマムシ毒による死亡者は500人に1人ほどに減少したそうです。
この抗血清が効力を発揮し始めた頃、今度は血小板輸血製剤が届きました。
これこそが、今回の救命措置において最も重要なものでした。
血小板は血液を凝固させるために血液中に常在する血球ですが、マムシ毒によって通常の1000分の1ほどにまで減少してしまっていたため、出血が止まらなかったのです。
抗血清の静注と同時に慎重に投与が始まり、それから30分ほどで出血が止まり始めました。
毒蛇との命のやり取りはこれで終わり、ようやく活路が開けたのです。
ここまで約7時間の救命措置
現場で助けてくださった方々
救急隊や医療チームの素晴らしい連携
魅せていただいた全ての思いやりに
心より感謝を贈りたいです
◆ 驚愕の尿の色、そして回復へ
マムシ毒が体内に入って最初に出た尿は、真っ黒でした(画像5番)。

これはマムシ毒によって壊死した筋肉組織が血中に溶け出し、そのまま排泄されるという、通常の代謝では考えられない状況です。
そしてこれは
毒の回りがもの凄く早いことを物語っています。
しかし、抗血清と血小板輸血のおかげで徐々に元に戻り、48時間ほどで透明な状態になりました。
◆ その後の治療と後遺症について
その後は24時間体制で輸液を続け、尿で毒を排泄させることに専念します。
1時間に1回は排尿するほどの頻尿状態になりますが、基本的に尿で毒を洗い流すのが一番の治療法です。
マムシ毒の後遺症としては、皮膚や筋肉、血管など、壊死した身体の組織が露出している場合、見た目に影響が出る可能性があります。私の場合は下顎に蛇毒が移ってしまったため、この病変部分の治療が大変です。

◎やっぱしお顔リュウジュ こんな時に実感してしまうとは!
また、マムシ毒による病変は単なる「内出血痕」ではなく、「壊死病巣」や「血腫痕」であるため、跡が見えなくなるまで3ヶ月から数年かかるでしょう。
でもあまり憂いはありません
ちょうど「お顔リュウジュ」の製造とも重なっているので、私も早期治癒を目指して積極的に活用し、皆様にレポートしたいと思っています。
残毒の数値が劇的に改善したのも
スパイラルリングで 自然の代謝を乱す電磁波を避電してるおかげ以外の何者でもないと思います
こいうときに 即応できる物を作らせていただいてる幸せ!
◆ 病院での貴重な経験
実は、私は大きな病気をしたことがなく、成人して以降64歳になる今まで入院経験がありませんでした。
ですから、今回の入院は、何よりも「人が人を生かそうと支え合う現場」に当事者として身を置くことができ、不思議な言い方ですが、幸せでした。
そして、命を失うことがなかったのは本当に幸運でした。
病状も安定し、今後蛇毒の影響が出ることもないとのことで、搬送されて1週間後の7月18日には退院して自宅に戻ることができます。
◆ 自然の力と森羅万象 そして社会を顧みる
今回の入院で、もう一つ勉強になったことがあります。
それは、万物の「生」を左右しているのは、自然による森羅万象だという実感です。
そこには多少の人間による知恵も存在しますが、自然が森羅万象を支え続ける努力には到底及びません。
例えば、マムシ毒は
マムシが自分の命を守るために宿した防御システムです。
また、マムシ毒の抗血清は、
馬の身体にマムシ毒を注入し、その抗体として得られる馬の身体の力。

そして、血小板輸血製剤は、
献血をしてくださった多くの人々の命と祈りの結晶(血漿)です。

このように、この度 私が命のやり取りをするために恵みを受けたものは全て、生きるものが生きるために備えているもの
つまり私たちは森羅万象の力をありがたく使わせていただくことでしか生きていくことはできないのです。
それはどのような詭弁を打っても表現を許されない
圧倒的なリアリズムだと思いました。
奇しくも2025年7月は総選挙の時期。関税やお米の価格問題など、
世の中には森羅万象も、そして人々の「生」も希薄で、喘ぐような時間が流れています。
私は入院して、そんな世間を外側から見ることができました。
今は、件の目が合った毒蛇を、退治を名目にして、踏み潰さなくてよかったと心から思っています。
毒蛇を許したんじゃないんですよ
踏み潰す権利が無いだけなんです。
◆ 誰かの役に立つかもしれないこの経験
この体験レポートは、不注意によって生じた個人的でささやかな出来事かもしれません。
「自分には関係ない」と一蹴されてしまえばそれまでです。
恥ずかしいことですから、黙って身を潜めていれば通り過ぎることながら、
しかし、一企業家として、そして先達として、
今回の経験が皆様の何らかの役に立つことができれば、と思っています。
◆ 7月26日の伏見稲荷のお山は?
もちろん開催いたします!
少しばかりいつもの顔とは違うかもしれませんが、ぜひ会いにいらしてください。
ちょっと面白い先達ができるかもしれませんよ
宣伝→お申し込みはこちら

◆ 私の今回の体験 人や物を見るとき
それはまず
いいくるめ ではないかと 疑おう
何かの誘導物でないか 比喩でないかと
聴き直してみよう
中傷を盾にした
自己肯定でないか
眺め直してみよう
自然の何か 森羅万象の何かを
取り込んでいるものか確認しよう
豊かに備わった自分の「生」のチカラを
活かせることか体感してみよう
豊かに生きることが
真ん中に息づいているか
確認して進もう
2025年7月16日
田中数人

